石川県金沢市の税理士小酒会計事務所

税理士小酒会計事務所は相続手続き・企業会計のスペシャリストです。

税理士小酒会計事務所

専門家による安心の相続手続きを

相続税の基礎知識

1.税制改正について(平成27年1月1日施行)

これまでとの大きな変更点
(1)相続税の基礎控除額が縮小され、課税対象者が増加
(2)相続税の税率構造が変わり、最高55%に
(3)未成年者控除額・障害者控除額の引き上げ
(4)小規模宅地等の特例の面積拡大

平成27年1月1日以降にお亡くなりになった方が対象となります。
例えば平成26年12月31日にお亡くなりになった方で、相続税の申告は平成27年1月1日以降にするという場合は、改正前の相続税が適用されます。


(1)基礎控除額の縮小
改正前 改正後
5,000万円+1,000万円×法定相続人数 3,000万円+600万円×法定相続人数

影響額(例)
法定相続人(法定相続人数) 改正前 基礎控除額 改正後 基礎控除額 増減額
配偶者+子ども1人(2人) 7,000万円 4,200万円 ▲2,800万円
配偶者+子ども2人(3人) 8,000万円 4,800万円 ▲3,200万円
配偶者+子ども3人(4人) 9,000万円 5,400万円 ▲3,600万円

 

(2)相続税の税率構造の見直し
各法定相続人の取得金額 改正前 税率 改正後 税率
       ~ 1,000万円 以下 10% 10%
1,000万円 超 ~ 3,000万円 以下 15% 15%
3,000万円 超 ~ 5,000万円 以下 20% 20%
5,000万円 超 ~ 1億円 以下 30% 30%
  1億円 超 ~ 2億円 以下 40% 40%
  2億円 超 ~ 3億円 以下 45%
  3億円 超 ~ 6億円 以下 50% 50%
  6億円 超 ~ 55%

 

(3)未成年者控除額・障害者控除額の引き上げ
項目 改正前   改正後
未成年者控除 6万円×20歳に達するまでの年数 10万円×20歳に達するまでの年数
障害者控除 6万円(特別障害者:12万円)
×85歳に達するまでの年数
10万円(特別障害者:20万円)
×85歳に達するまでの年数

 

(4)小規模宅地等の特例面積の拡大

小規模宅地の特例とは、相続時に被相続人の自宅の敷地であった宅地等や、被相続人が事業に使用していた宅地等がある場合に、一定の要件を満たしていれば、その宅地等の相続税評価額の一定割合を減額するものです。



①居住用の宅地等(特定居住用宅地等)の限度面積の拡大

改正前 改正後
上限240㎡ 上限330㎡


②居住用と事業用の宅地等を選択する場合の適用面積の拡大

改正前 改正後
特定居住用宅地等  240㎡
特定事業用等宅地等 400㎡
最大400㎡ 特定居住用宅地等  330㎡
特定事業用等宅地等 400㎡
最大730㎡

2.相続税申告の流れ

相続が発生したけれど、「何から手をつけていいのか分からない」とお悩みの方に相続税の申告までの流れを簡単にご紹介します。

期間 手続き 解説
3ヶ月以内 被相続人の死亡(相続開始) 医師の作成した死亡診断書をもって市区町村で除籍等の手続きが必要となります。
遺言書の有無の確認 公正証書の場合は、公証人役場等でも遺言の有無が確認できます。
相続人の確定 戸籍等で相続人・相続人数を確認します。
相続の放棄又は限定承認 相続放棄は各相続人ごとに家庭裁判所にて行います。
限定承認は相続人全員が共同して家庭裁判所に手続きを行う必要があります。
4ヶ月以内     故人の所得税準確定申告 故人に所得があれば死亡日までの所得計算が必要です。
10ケ月以内  遺産調査 相続人の方々に協力して頂き、遺産を把握します。
相続税評価額調査 税理士や税理士以外の不動産鑑定士・土地家屋調査士等と共同して評価額を算定致します。
遺産分割協議書作成 相続人間の話し合いを基に作成致します。
相続税申告書の作成 所轄税務署への提出するため、様々な添付書類と共に申告書を作成致します。
相続税申告・納税 相続税申告書の提出と、その申告書に記載してある相続税額を金融機関等でお支払して頂きます。
遺産分割後速やかに 遺産の名義変更手続き 土地や建物の名義変更(相続登記)については、当事務所の提携先の司法書士を紹介いたします。(別途見積もりとさせていただきます。)

3.相続に必要な書類

次のものが相続税申告に必要な一般的な書類となっておりますが、実際には、各々の方で必要書類は異なります。

(1)市役所

<被相続人> <相続人>
・原戸籍 ・戸籍謄本
・除籍謄本 ・印鑑証明書
・戸籍謄本 ・住民票等
・名寄帳等(土地、建物)  

(2)法務局
・登記簿謄本(土地及び建物)、上記の名寄帳記載物件全て
・公図等(土地)上記の名寄帳記載物件全て

(3)銀行等
・残高証明書(死亡日現在のもので、利息の記載も必要です)
・出資金証明書等(信用金庫、農協等)

(4)保険会社
・保険金支払調書等

(5)債務と葬式費用
・お寺や神社へのお支払の金額の分かる書類(領収書等)
・葬式費用の領収書等、死亡後に支払った医療費の明細
・固定資産税、国民健康保険料の納付書、借入金の証明書等

(6)その他参考資料
・相続開始前3年分の所得税の確定申告書控、準確定申告書控
・貸地、貸家、借地の賃貸契約書、事業用動産の明細書
・被相続人の相続開始日の手持現金、家庭用動産の明細
・自動車、電話加入権、貸家の未収家賃
・相続開始前3年以内の贈与税申告書控
・相続開始前5年以内の不動産譲渡がありましたら、その代金の使途の明細
・相続開始前10年以内の相続がありましたら、当時の相続税申告書の控
・会社経営の社長様で自社の株式をお持ちの方は、相続開始日前の直近3期分の決算書等